今日、Toots Thielemansのコンサートへ行ってきた。
場所は、すみだトリフォニーホール。
Toots Thielemansは、御年89歳。
パンフレットには、音楽界の人間国宝と書かれていたが、
もう世界遺産クラスだ。
まさか生で聞けるとは思っていなかった。
今回は主に、Blue Note,Cotton Club,すみだの都内3ヶ所で
ライブをする予定のようで、私が知った時点でBlue Noteは完売、
Cotton Clubは、スケジュールが微妙ということで
本日のすみだに行ってきました。
年が年なので、厳しいところもあるだろうと予想して、
実物を拝めるだけでも御の字と予め期待感を低く抑えて座席についた。
現れたTootsは、一人では歩くのが難しいようで、
ドラムのHans Van Oosterhoutが、付き添って
ステージセンターの定位置に着く。
挨拶なしにいきなり演奏が始まって驚いた。
とても89歳とは思えない艶があって、伸びがあって
泣かせるハーモニカだった。
途中、所々でTootsのユーモアのあるMCが入るのだが、
喋りは年相応に少したどたどしく重厚感あるしゃがれ声だった。
それだけに一層演奏時の若さに驚かされた。
ライブ中盤からは、会場は、もうTootsの思いのままで
客に手拍子や歌うことを求め、国宝級が求めるのだから
皆必死でついて行く。
客は、皆ありがたくてしょうがないという感じだった。
Tootsもかなりご機嫌だったようで最後もう終わりということで、
ドラムのHans Van Oosterhoutが、ジャケットを持って
Tootsの付き添いに歩み寄ろうとしたら
まだやるぞと言ってドラムセットに座り直させること数回。
恐らく予定よりも2,3曲多く演奏したんじゃないかと思う。
そしてアンコール。
今回は、ちょっと趣が違ったアンコールだった。
Tootsが、歩くのが難しい状態だったので皆大丈夫かな、
申し訳ないなといった心苦しい感ともっと聞きたい感が、
入り混じったアンコールだった。
Toots達も予定していなかったのかも知れない。
再登場までかなり時間が掛かった。
最近多く見られるアンコールありきではなく
皆が、本当に名残惜しくいつまでも聞きたい感満載のアンコールだった。
そして、最後は皆スタンディングオベーションで感謝を表した。
Tootsも名残惜しそうにステージを後にした。
大変幸せな一夜でした。
贅沢を言えば出来ればもっと近くで、
酒を飲みながら聞きたかった。
欲張り過ぎかもしれない。